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最高裁判所第二小法廷 昭和31(あ)154 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人植木昇の上告趣意は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上

告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められ

ない。原判示A信用金庫は市街地信用組合法により、B信用組合は中小企業等協同

組合法によりそれぞれ設立された経済団体であつて、これら経済団体は、金融緊急

措置令八条所定の金融機関に該当し、その行う資金の融通は同令六条、同令施行規

則一三条、昭和二二年三月一日大蔵省告示三七号(金融機関資金融通準則)に基く

統制に服し、またそれらは臨時金利調整法一条一項所定の金融機関に該当し、その

貸付の利率は同法二条、昭和二三年一月一〇日大蔵省告示四号(臨時金利調整法二

条一項の規定に基く金融機関の金利の最高限度)に基く統制に服し、なお特に中小

企業等協同組合法により設立された信用協同組合は、協同組合による金融事業に関

する法律四条によりその業務上の余裕金の運用を制限される等その業務運営上経済

の統制を目的とする法令による各般の統制に従わなければならないから、右各経済

団体は、これを経済関係罰則の整備に関する法律二条にいう「統制ニ関スル義務ヲ

為ス」経済団体にして、同法別表乙号に掲げるものに該当するものと解すべく、又

原判示B信用金庫は信用金庫法により設立された経済団体であつて、前二者と同じ

く臨時金利調整法一条一項所定の金融機関に該当し、その貸付の利率につき同法に

基く統制に服し、その他業務運営、資金融通等の面においても国家の監督統制指導

を受け、前記経済関係罰則整備法二条にいう「統制ニ関スル業務ヲ為ス」経済団体

にして、同法別表乙号に掲げるものに該当することは、当裁判所昭和三〇年(あ)

第四一二六号、同三一年一二月一三日第一小法廷判決、刑集一〇巻一二号一六三七

頁の趣旨とするところである。そしてこの種各経済団体の行う貸付業務が同条の「

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統制ニ関スル業務」にあたることは、当裁判所昭和二八年(あ)第五六二六号、同

三一年二月二九日第二小法廷決定、刑集一〇巻二号二五二頁の趣旨とするところで

あり、同二条にいう「其ノ職務」とは、同条の定める会社、組合またはこれらに準

ずるものの職務であれば、同条のいう事業または業務にかかわりなく、すべてを含

むと解すべきではないが、本来の独占的または統制的性質をもつ業務に局限すべき

でなく、本来の事業または業務を行うために必要な関係にある事務をも含むものと

解するのを相当とし(当裁判所昭和二八年(あ)第四三八一号、同三〇年五月一〇

日第三小法廷判決、刑集九巻六号九七三頁参照)所論法令違反の主張は理由がない。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のと

おり決定する。

昭和三三年九月一二日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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